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借りる資格と貸す資格

学生ローンでは時折、借りて返さない方が悪いのか、それともまともな収入のない学生に貸す方が悪いのか、こういった議論が出る事がある。
特に相手が未成年となるとなおさらである。
未成年の問題は後述するが、まずは成人との契約関係について言及してみたい。
 
成人学生と学生ローンの契約
まずは成人とは何か、これをよく理解していないと、いくら議論をしても水掛け論となってしまうので、まずはそこを整理したい。
成人とは説明するまでもないが、満20歳を超える者全ての総称である。
成人は選挙権も与えられ、酒も飲めればタバコも吸える。
何か物事をする時、自分の判断で行動をとることができる。
事件を起こせば大人としての裁きを受ける事になる。
禁治産者等を除き、成人は全ての契約行為や法律行為を、自身の責任で成す事ができる。
 
成人は上で示すように、契約行為・法律行為は単独で成す事ができるので、学生ローンとの契約は収入さえクリアすれば何ら問題はない。
事実、大手消費者金融や銀行なども、学生用の商品を提供している。
法律的な問題があれば銀行が学生向け商品サービスを展開するはずがないのである。
 
学生ローン専門業者との比較
大手消費者金融が提供する学生向け無担保ローンの平均金利は、年17%~18%である。
これに対し、専門店の平均金利はというと、全く同じで年17%~18%だ。
金利面での差は全くないといって過言ではない。
次に利便性を比較してみると、大手は全国のコンビニでのATMの使用が可能である。
これは専門店に対して、大きなアドバンテージであることは間違いない。
しかし、審査が厳しいというデメリットは否定できないだろう。
日頃から学生相手の専門店とは違い、大手からすればアルバイト収入しかない学生は、若干戸惑うのだ。
「定職」がないから、身構えてしまい、結果として審査が厳しくなっていくのも致し方のないところなのかもしれない。
また、大手は社会的信用があるだけに、「世間の目」をどうしてもきにせざるをえない。
もちろん、専門店も気にしていないわけではないが、大手よりは学生慣れしている分、さばき方がうまいのである。
この「さばきのうまさ」が、世間からすると、「甘い」とか「誰かれ構わず貸す」という一方的な批判となるのである。

社会からの評価
大手消費者金融の一商品である学生向け無担保ローンについては、あまり批判的な意見を聞くことはない。
これが銀行だと「あまり」ではなく、「ほとんど」に変化する。
むろん、ないことはないのだが、学生ローン専門店と比較した場合、圧倒的に学生ローン専門店に対する冷ややかな視線が多いのは事実である。
これは企業としての認知度や知名度が大きく影響している事は間違いないのだが、扱う商品は全く同じなのに不思議な話である。
金利に圧倒的な差があるのであれば理解もできようというものだが、金利差はほとんどない。
むしろ専門店の方が安いくらいである。
では、なぜ同じ事をしているのに、評価がこうも違うのあろうか?
一言でいえば会社の規模である。
やはり大きい方が信用があるのは当たり前の話なので、当然といえば当然の話なのである。
専門店は、だからこそ信頼をしてもらえるよう、大手以上のサービスを提供するという営業努力も怠らないわけで、どちらで借りてもそれなりのサービスは受けられるものと理解したい。

利便性について
利便性に関しては、さすがに大手の方が便利ではある。
全国のコンビニなどでATMが使えるなど、機能面は専門店をはるかに凌ぐものがある。
しかし、前述のように大手は審査が厳しいという側面もあり、最初のハードルを越える事ができれば便利だが、最初の関門で躓くケースが非常に多い為、学生であれば専門店の利用をまずは考えるべきだろう。
こういった意味では、お奨めは学生ローンのカレッヂである。
この会社は全国では使えないがATMも設置してあり、大手と比較すると審査も緩めだ。
また、1977年からの営業実績があり、信頼性という面でもお奨めできる。
 
未成年との契約
学生ローンがよく問われる問題の一つに、未成年との契約がある。
親などに同意を得ていれば全く問題ないのだが、ほとんどの場合、同意は全く得ていない。
こういったところが「貸す資格」を問われるところなのだが、この問題は非常に複雑なので、一つ一つ整理して考えてみたい。
 
法律的に問題はないのか?
親の同意を得ずに未成年者にお金を貸す行為は、法律的にみてどうなのか?
まずここを検証してみたい。
結論から先にいうと、未成年者との単独契約は、法律上は違法ではない。
一応有効なのである。
双方、問題を提起せず、通常通りの取り引きをしている分には全く問題はない。
 
だが・・・
未成年者には「未成年取り消し権」というものが法律で認められており、取り消しを行使すると契約そのものを取り消す事ができる。
これを、世間では親の同意なしで貸すことは違法ではないか?という誤った認識となっているのだが、貸す側からしても相当なリスクである。
大手は未成年に貸す事はありえないが、理由はそういったリスクを負ってまで関わりたくないというのが本音なのである。
 
未成年取り消しの解釈
さて、取消権を行使した場合の解釈だが、それぞれの立場によっていろんな解釈があるので整理してみたい。
法律では、「現存利益は返還の義務を負う」としているが、この表現があいまいなので、いろいろな解釈が出てしまうのである。
 
●借り手側の解釈
取消権を行使し、お金は既に使ってしまって現存利益はない。
したがって、返還の義務はない。
 
●貸し手側の主張
現存利益がないという事を証明してほしい。
例えば、そのお金でバイクを購入したのであればバイクという形に変えて現存利益は残っている。
学費に使ったのであれば、本来、学費は必ず必要なものであり、その支払いに充てたおかげで学生を続ける事ができたのであるから、現存利益は存在する。
よって、債務者は返還の義務を負う。
 
●中立的意見
確かに未成年取り消しは法律で認められているものだし、そのリスクを承知で貸したのだから、貸す方の責任は重大である。
しかし、借りたものを全く返さないというのも許される事ではない。
よって、折半にするのが望ましい。
 
大方以上のように意見がわかれるところだが、実はどれも正しいし間違っていないのである。
法律の表現があいまいな以上、解釈のしかたによって様々な解釈が出るのは、ごく当たり前なのだ。
当然、この問題に正しい結論を出せるのは裁判所のみである。
され以外の人間がどんなに正論を言おうが、単なる一個人の主張にすぎないのだ。
 
もし、こちらサイドで結論を言わさせてもらえるのなら、お互いの話し合いで決着を付けるしかないだろう。
払わなくて良いとも言えないし、払うべきだとも言えない。
お互いの事情を鑑みた上で双方納得のいく解決策を、個別に模索していく問題といえるだろう。